FOCUS / AI & MENTAL HEALTH

AIとメンタルヘルス。

加賀谷隼輔|精神科医 kagshun

精神科臨床を背景に、AIとメンタルヘルスの動向を調べ、発信しています。

解説を読む

AIが、診察の話題になるとき。

患者さんがAIに相談しているとき、医療者はどう向き合うか

AIを使う理由、使ったあとの生活、治療への影響。公開研究を手がかりに、診察で確かめたいことを考えます。

記事を読む

利用。支援。安全性。

Voicyやnoteでの発信を起点に、学会発表、論文投稿、研究準備へ。現在地を分けて示します。

01SHADOW AI

学会発表済/関連論文は投稿中・未受理

患者によるAI利用

受診前や診療外で、患者がAIをどう使い、医療者に何を共有するのかを検討しています。

02SAFETY / EVALUATION

研究準備中

安全性と評価

危機場面への応答、人への接続、人的監督をどう評価するか。今後取り組む研究テーマとして準備しています。

03THERAPY / SUPPORT

文献調査・発信

AIによる心理支援

心理支援への応用について、効果、限界、安全性を中心に国内外の研究動向を追っています。

講演中の加賀谷隼輔
SHUNSUKE KAGAYA / LECTURE

POSITION

効果と安全性は、別に検証する。

AIが共感的に見えること、役立つと感じること、症状や生活が改善すること、 安全であることは同じではありません。

精神科臨床、文献調査、学会発表を通じて、何がわかっていて、何がまだわからないのかを整理します。

何が、どこまで分かっているか。

掲載文献の確認日 。 論点に沿って選んだ文献です。全研究を網羅する系統的レビューではありません。

012026CROSS-SECTIONAL SURVEY / N=1,805

利用実態を示す|因果は不明

人は、AIを心の相談に使っているか。

Help-Seeking in the Age of AI: Cross-Sectional Survey of the Use and Perceptions of AI-Based Mental Health Support Among US Adults

Ueda et al. / JMIR Mental Health

分かったこと米国の18〜49歳のオンラインパネル1,805人中638人(約35%)が、通常の週に1日以上、AIを心の相談に利用していました。

まだ分からないこと米国全体や日本の患者の利用率ではありません。横断調査なので、AIが症状や受診行動を変えたかは分かりません。

SOURCE ↗
022026SYSTEMATIC REVIEW / 15 RCTs / N=1,737

治療用システムの検証|大半は応答検索型

治療用のAI対話には、効果があるか。

The effectiveness of CBT-based NLP-enabled AI conversational agents for mental health intervention: a systematic review and meta-analysis

Hang et al. / npj Digital Medicine

分かったこと認知行動療法(CBT)に基づく15件のRCT、1,737人を統合。抑うつ症状には小〜中程度、ネガティブ感情には小さな改善効果が報告されました。

まだ分からないこと15件中13件は、用意された応答を選ぶ検索型です。汎用の生成AIの効果を示す結果ではありません。不安・ストレス・ポジティブ感情の効果は、出版バイアス調整後には有意ではありませんでした。

SOURCE ↗
032025RANDOMIZED TRIAL / N=210

生成AIを直接検証|専用ツール・人的監督あり

生成AIを治療用に設計すると、どうか。

Randomized Trial of a Generative AI Chatbot for Mental Health Treatment

Heinz et al. / NEJM AI

分かったこと成人210人を専用の生成AI「Therabot」と待機群に割り付けた試験。4週・8週の評価で、抑うつ、不安、体重への懸念の指標に、待機群より大きな改善がありました。

まだ分からないこと対人治療との比較ではありません。応答には人の監督があり、急性の自殺リスク、躁状態、精神病症状は除外条件でした。汎用AIの安全性や長期効果は、この試験では分かりません。

SOURCE ↗
042025EXPERT EVALUATION / 137 SESSIONS

安全性の論点を示す|臨床転帰ではない

流暢な返答は、安全な支援と言えるか。

How LLM Counselors Violate Ethical Standards in Mental Health Practice: A Practitioner-Informed Framework

Iftikhar et al. / AIES

分かったこと心理職らとの協働で137セッションを評価。文脈理解、協働、共感の見せ方、差別、危機対応の5領域に、倫理上の問題を整理しました。

まだ分からないこと自己相談110件と模擬相談27件の分析で、患者137人の治療試験ではありません。患者の有害事象の発生率や、長期的な影響を測った研究でもありません。

SOURCE ↗

実践のための提案・学会の見解

効果や安全性を検証した研究とは、分けて紹介します。

Viewpoint/実践上の提案

AI利用を、診察でどう話題にするか。

患者のAI利用を話題にし、役立つ点や問題点を一緒に確かめるための「GUIDE」を提案しています。

2026年9月30日掲載。効果が検証された介入や診療指針ではありません。法制度の議論は米国を対象としています。

Brenner et al. / JMIR AI ↗

学会の公式見解/2026年7月承認

治療・処方を、AIだけで決めない。

生成AIを医療者の代わりと位置づけず、治療・処方をAIだけで決めないこと、データ利用や限界の明示を求めています。

臨床試験の結果ではなく、米国の専門学会の立場です。日本の診療指針や法的義務を示すものではありません。

American Psychiatric Association/米国精神医学会 (PDF) ↗

発表・執筆。

患者によるAI利用、AIと精神療法を扱った主な発表・原稿です。

01

ACADEMIC SYMPOSIUM

診察室のShadow AI:患者の自律的AI利用実態と変容する治療同盟のリアル

第122回日本精神神経学会学術総会|2026.06.18

学会発表済/関連論文は投稿中・未受理
2026
02

INVITED REVIEW

生成AIと精神療法:AIは治療者になれるか、精神科医はAIに勝てるのか

精神神経学雑誌 依頼総説

受理済・未刊行
2026
03

EDUCATIONAL LECTURE

AIによる精神療法の可能性―精神科医はAIに勝てるのか?―

第121回日本精神神経学会学術総会|2025.06.19

学会発表済
2025

※投稿中の論文は査読中・未受理です。研究結果は、査読後に公開可能な範囲で掲載します。

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